始まらない恋
[偶然と必然](1/8)
「兄ちゃんこれやろー!」
家に上がってすぐ潤がゲームをやろうと
誘ってきた。
いつもより疲れているのもあって正直あまり
気乗りしない。
つかそのゲームこないだもやったじゃねぇか。
嫌だと言ったら確実に拗ねるだろうから首を
横に振れないでいると、ふとアツムくんの姿
が目に入った。
あぁ、そうだ。
今日は遊び相手がいるじゃねぇか。
「アツムくんに遊んでもらえよ」
「兄ちゃんも一緒がいい!!」
「あー…また今度な」
さっき寝たけどまだ寝足りないんだよ。
な?と言い聞かせるように潤の頭に手を
乗せると、渋々というように頷いていた。
それにしても、今日はいつもに増して俺に
構って構ってしてくるな。
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