魔法使いの小さいオッサン
[春の夜](1/12)
ゴールデンウィークは明けたが、河川敷には梅雨までの束の間の陽気を楽しもうと、多くの家族連れやカップルで、賑わっていた。
広い芝生広場を、所狭しと駆け回る子供や、じゃれあう小型犬。
それを、幸せそうに見つめる大人たち。
少年野球の試合からは、時々カキーンという心地良い音が聞こえてくる。
抜けるような青空に、細い飛行機雲が一本の線を引く。
あの飛行機は、どこへ向かっているのだろうと可奈は考えた。
なだらかな土手の芝生に座り、可奈は背伸びをした。
「う〜ん。気持ちいいな〜。」
サチの墓参りの帰り、天気もいいので回り道して帰ることにした。
河川敷を選んだのは、どうやら正解だったらしい。
- 118 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]