短編小説です
[私じゃダメ?](1/2)
【私じゃダメ?】アンナリツ
20歳〜



















「彼女に振られた」


「へー」


「慰めてよ」


「身体で?」


「バカ。笑」




私は結構、本気で言ってるつもり。




「今からアンナん家行っていい?」


「私のこと襲う気だ」


「バカか。笑」




なのにリツはいつも笑って誤魔化す。




「バカだよ」


「やっぱアンナん家は止め。ドライブいこうよ」


「車でする気?」


「そのくだり、もうイイって。笑」




電話越し
リツが苦笑いしているのが目に浮かぶ




「ふふ、ドライブって何処に行くの?」


「んー適当に」


「じゃあ海いきたい」


「あのさ、いま冬」


「うん」


「寒過ぎん?」


「だから良いんじゃん」


「なんで?」


「リツ彼女に振られて傷心なんでしょ?」


「まあね」


「ピッタリじゃん」


「なにが」


「冬の海とリツの心が」


「泣かすぞコラ」


「泣いてるのはリツじゃん。笑」


「泣いてねーよバーカ」




嘘つきリツ。

本当は泣いてるんでしょ?

泣いてたんでしょ?

声が少し、鼻声になってるよ。




「早く来いよバーカ」




リツの代わりに私が泣いてあげる

だからリツは笑ってて

私がリツを笑わせるから

だからリツは笑ってて。















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