原稿『未定』
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一体、この世の中にどれだけの物書きが存在するだろうか?
小説家、随筆家、ライター、ブロガー、漫画家、絵本作家、…………。
潜在人口は数百万人とも言われている。
この中から専業の物書きに成れるのは、本当にごくわずかだ。
知っている物書きを20人挙げてみてほしい。
大体、その20人の内の何人かは同じ物書きを挙げてしまうことだろう。
それだけ知られている物書きなんて限られているのだ。
『先生〜、まだですか? あれからかなりの時間が過ぎてますよ!』
編集者の眞壁(マカベ)が、電話ごしにそう言って俺のことを急かせる。
『もうちょい待ってくれ! 後少しでアイディアが纏まりそうなんだ!』
『本当ですか〜?ちゃんと考えて下さいよ! では後日。』
「やれやれ……。」
かくいう俺も数百万人と言われている物書きの一人。
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