この事故、大したことありませんので……
[交通事故から始まる恋愛](1/4)
それから、1週間、
明さんからの返事はなかった。
もちろん俺は、
どうなっているのか
問いただすことはしなかった。
ただ、
明さんからの返事を待ち続けた。
そんなある日、
大学生としての日常を
送っていた俺だが、
木原からある一本の報せが入る。
「桜居、大ニュース!
明ねえ、名字が変わります!
残念だったな!」
「はっ?」
俺には、
意味がわからなかった。
何も知らない木原が、
ニマニマと笑いながら
話している。
「おい!
木原、その話、本当なのか?」
「ホントだよ!
明ねえ自身が言ってたもん!
桜居、やっぱり知らない?」
一体、どういう事だよ?
明さんの
名字が変わる=結婚に結び付く。
明さんは、
俺の知らないうちに、
他の男と結婚することが
決まったとでもいうのか?
「そんなことは知らない。
相手は何処の誰だよ!」
俺は、
木原に怒鳴る様に
声を張り上げて言った。
「おお、怖いぞ、桜居。
詳しい事は明ねえ自身に
訊いてみたら?
きっと驚くだろうぞ!」
俺の怒鳴り声に
少し怯んだ木原だったが、
またニマニマと笑いながら、
そう言ってきた。
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