この事故、大したことありませんので……
[告白、そして……](1/10)



5月25日土曜日、曇り。



薄雲に覆われているが、
雨は降らなそうで良かった。



遂にこの日を迎えてしまった。



俺は、
この日のために新調しておいた、
アイボリーのサマーニットに
ブラウンのチェスターコート、
下は黒のスキニーパンツという
出で立ちでビシッと決めた。



ちょっと暑いかなと思ったが、
カンカン照りでもないので、
暑くもなく寒くもなく
ちょうど良かった。



ショルダーポーチに
プレゼントのスマホケースと
スマホをしまい、
財布はポケットに入れた。



時間は午前10時、
集合時間にはまだ大分早いが、
気が高ぶってそわそわする。



準備は出来たのでとりあえず、
研究室に行ってみることにした。



研究室には、
案の定、
追分がデスクに座っていた。


「よお!」



こちらの返事に気付いた追分は
頭を掻きながらこっちを向いた。


「おっ、
ビシッと決めてるじゃないか。

例の人とデートかい?」



もう隠す必要もないと思った俺は、

素直に、

「ああ、そうだよ」

と照れくさく笑いながら言った。



「上手くいくと良いな!

もしも、上手くいかなかったら、
慰めてやるよ。」


追分なりの激励に
「サンキューな」
と言い、研究室を出た。



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