隣の上司はよく食う上司だ
[11、隣の上司の失態ーーー水沢海斗side](2/10)



いやいや皆さん、こんにちは。水沢です。海斗です。部長です。


……って誰に向かって挨拶してるんだ俺。




そう、朝目覚めた俺は今、とても動揺している。

なぜなら隣には…………裸になって寝ている俺の愛しの彼女。
いや、これはいいんだ。むしろ俺、大正解。よくやった。


……じゃなくて。


「昨日…………」


そうだ。昨日のことを思い出して、今すぐシュレッダーにでもかけて粉々にしたいくらいの衝動に駆られていたんだった。あーあーー、また黒歴史が増えやがって。




突然だが、俺は酒が弱い。

飲めないわけじゃないのだがあまり好きではない。飲んでも3杯くらいかな。
それなのに昨日は……何杯だ?

そこらへんは曖昧だけど、バカみたいに飲んでしまった。


「……それが、お前のせいだぞーーなんて言えないよなぁーー…………」


俺は隣ですやすや眠る彼女の頭を撫でる。すると彼女は何か良い夢でも見ているのか、ふわぁと微笑む。くっそ、可愛いすぎ。鼻血出てない俺?


そう、昨日もこんな可愛い顔でキスマークなんか付けられた。それでムラムラするなという方が無理あるだろう。何もしなくたって……ほら、色々考えちゃうのにさ。

それでまぁ一人で処理して、…………でも、由香とスるようになってそれじゃあ全然物足りない。というか由香がいるなら中に入らなくても、抜けそう。すいませんね、下品な話で…………でも、それくらい由香にはまっちゃってる俺。

由香も、そうだったらいいなぁーなんて。


そう思った矢先の、宴会。
由香の周りには複数の男たち。

いや、わかる。由香は鈍感すぎて全然理解してないけど、あいつはモテる。というか可愛い。スタイルもいい。性格最高。なんだか親バカみたいになってるけどそうじゃないですよ、えぇ決して。

だから男に囲まれるのは当然なのかも。


由香は、“海斗さん以外なんて見えないですよ!海斗さんが大好き!!“とか言う(大幅に脚色あり)けど、やっぱり由香の周りに男が集まっていると不安。


……なんか、俺だけ必死だなぁ…………

だって俺、一人でムラムラして、一人でシて、一人で由香を想って、一人で嫉妬して。
その間に由香はどれだけ俺のこと想ってくれるんだろう?


そんなくだらないことを堂々巡りで考えるうちに酒がすすみ、あの有り様。情けねぇ。







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