あれからずっと、
病院の壁に寄り掛かって
蹲りながら泣いていた。
真尋も、ずっと来なくて。
ただ一人で何も考えずに
泣いていただけ。
どれくらい時間がたったのかは
全くわからないけれど、
結構な時間がたったんだろう。
泣き声だけが響いてる廊下に
ガチャ、と扉の開く音が響いた。
パッ、と顔をあげると
翔が入った部屋から
看護婦さんが出て来ていた。
終わったのかな。
どうなのかな。
「どうぞ、入ってください」
看護婦さんは真剣な表情を
することもなく、
ニコッと笑いながら私を
招き入れた。
「失礼しま…ーーっ!」
声が、出なかった。
目の前にはベッドに横たわる
包帯が巻かれている翔。
ーーそれが。
お兄ちゃんにしか見えなくて。
過去に戻ったかのように、
また同じ感情が溢れ出てくる。
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