火竜に継ぐ唄風

小さき焔の息吹 ( 1 / 11 ) 



  大陸の北側にあるフラヒヤ山脈(通称、雪山)
そこは複数の雪山からなる山脈地帯。

 極寒の地であるここは、人が登山するには万全の防寒対策をしなければならない土地であり、山脈の中腹にある複数の洞窟内には、一部モンスターの巣として利用されている。


 過酷な環境を乗り切るためにもこの地のモンスターは分厚い毛皮を身に纏るなどして力強い生命力を持っている。

 麓付近ではガウシカやポポが主にいるが、中腹以上や夜間だと凶暴な牙獣や鳥竜が群れをなして出没するため危険である。

 最近ではポポを襲う攻撃的な飛竜、『轟竜』が確認されており、さらに危険度が増している。


 山脈地帯の側にあるポッケ村。
 雪山へ向かう狩人たちの拠点でもあり、ここの村は雪が常にあるほどの寒さで村人はこの厳しい環境をたくましく生きているのである……





――ガチャ

 ポッケ村の一つの家にあり扉の取っ手が傾き、木と木が擦れ合うようにその扉は開く。
 開けたとたんに扉の隙間から強烈な光が射し、暗い部屋を照らすと、同時にそこから涼しい風が中へ入り込んでゆく。
 暗い部屋に慣れた瞳を視界の明るさになれるようにゆっくりと開く。

 村の中央の場所に朝にも関わらず、村人が何人か外に出ている。扉の先にある景色はフラヒヤ山脈を中心に銀世界が姿を現す。
 先ほど言った強烈な光は太陽の光を受けた雪が、鏡のように反射したものだ。

 相変わらず道には雪が残り、村人にとって雪は普通にある物ほどだ。空から舞い降りて集まった雪からは、冷えた空気を風が運び、『もう少し……』と言いたくなる眠気を誘う冷たい風が顔を撫でる。
 にも関わらず、この村の住人は起きるのが早いのだ。


 『十分に冷えている』と教えてくれる空気は、一口吐くと白い煙ができ、少しも立たないうちに消えてゆく……
 そんな肌を刺す冷たい空気の中、日の輝きは光に触れただけでも暖かさを感じる。

 大きなあくびをして腕を上にいっぱいに伸ばす。
 朝露に濡れた地面を一歩前に進め歩きだす。


「みんなおはよ」
「あ、マナカちゃんお目覚めかい?」


 明るい声が現れ、村人皆が微笑みながらマナカのほうに向く。自然の寒さにも負けず、太陽のように心が暖かい村人たち。

――今日もこの村は元気だ。

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