短編集
[女の子](1/2)
「女の子」




白く柔い肌を、シャワーの水の中で優しくマッサージする。手が足にいとも簡単に食い込んでいく。


「やっと、ここまで綺麗になったなぁ。」


足が太くて、傷だらけだった時期から奮闘して、マッサージとスキンケアを続けてきた。

きっかけは、彼氏ができたからだった。

顔は可愛い方だったの。もともと色白だったし、黒髪だって、染めてないから艶々だし。目も特別大きいわけではないけれど二重だし。唇は口紅を塗らなくても血色いいからリップクリームで充分だし。

ただ、足はね、骨格とかあるでしょ??
あと、よく転んじゃうの。傷できちゃって。汚かったの。

でも、そんな足ですら、あなたは綺麗だと言ってくれたわ。



あたし、思ったの。


ああ、あなたのために綺麗になりたいって。



化粧も覚えたし、足も綺麗にしようと思った。



お風呂あがりに、化粧水を丁寧に塗って、髪の毛を丁寧に乾かす。



その後、前髪を留めて、丁寧に下地を塗って、粉を叩く。眉毛を綺麗に描いて、仕上げは、色付きリップを塗る。



まだ、アイラインとアイシャドウはうまくできないな。



部屋に戻って、クローゼットの前で服選びに奮闘。



「今日は寒いから、コートと、マフラーは必須ね。問題は色合いよ。」



やっとこさ、コーディネートを終えたら、今度は髪の毛を三つ編みにした。



外歩く時は可愛いし、あなたが、あなたの部屋で私の髪をほどくときも、ゆる巻きになって可愛いでしょ。



香水をひとかけして部屋を出る。



玄関で靴を選んで、家を出る。



「行ってきます。」



外に出て、息を吐くと、白かった。

「あ、さむ〜い。」


とぽとぽと歩いて駅に向かう。

もうあなたはいるかしら??

いたら走って駆けよろう。


だって、



早く会いたいもの。

それに、冬だから、



ぎゅっと抱きしめてくれるでしょ?



手を繋ぎたいから、手袋はしてこなかったよ。ちゃんと気づいてね。



ハンドクリームは塗ったからすべすべよ。

ムダ毛の処理もしたわ。



私、あなたに愛されたいの。

そして

綺麗になることで

あなたへの愛を

示したいの。


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