unLUCKYday
[第五章](1/28)
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恋に溺れる。

その意味を
初めて知った。


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「んっ……っ」


「凛……、もっと。口開けて。」


ビジネスホテルのシングルベッドの上。

二人して腰掛けて。

微かに残る煙草の香りと恩田課長の爽やかなマリンの香りに支配されて。


私は彼のキスを
一心に受けていた。

「課……、長っ、!」

「……何?」


舌を絡められただけで私のカラダは熱を発して、とっさに逃げ腰になるのを課長の手が許さない。


グイッと腰に手をまわされ、体と体が密着したと思えば、 比例するように口付けが深くなった。


「んっん……ハァ……くるし…っ」


「もっと、舌、絡めて」


強い意思を持った彼の命令は絶対的で。


私は為すがまま、
必死に従うけれど。


息が出来なくて、
心も体も淫らに乱れるのを自覚する。



既に後頭部には手がまわされていて、身動きが取れない。


「凛……もっと。」


恩田課長の
深くて
甘いキスに――…、私はこんなに簡単に酔いしれてしまう。





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