fragile ephemeral
憤りに葛藤(1/8)



「あ、お兄ちゃん、いたの?」

「いたけど…」

「ずっと部屋にこもってるから
帰ってきてたのか分かんなかったよ」

「んー…」


今、高校三年の妹の香奈が
部屋に入ってきた。


香奈は俺の家に住んでる。

実家より、こっちの俺の家の方が
学校に通いやすいらしい。

あ、俺が勤めている学校とは
違う学校に通ってる。


きもいんだって。

兄貴が学校の先生とか。

兄ちゃん悲しいぞ。


……ってほどでも無いんだけど。

確かに、気味悪いだろうな。

兄貴が成績を的確に把握するとか、
俺だったら耐えられないね。


兄妹が同じ学校ってね。

しかも、先生と生徒なんてね。


考えただけで寒気。



「……お兄ちゃん、なにしてんの?」

「何って…仕事だよ」

「ふーん。」

「……ふーんて。
聞いといて冷たいな?」

「そう?…じゃ、
コーヒーでも淹れようか」

「…気が利くじゃん…」

「まあね」


まあねって。

なんだ、それ。


で、香奈はコーヒーを
淹れて持ってきた。

「さんきゅー」

「You are welcomeー」

「…発音いいな」

「文系だし。
お兄ちゃんとは違うから♪」

「…」

(`・ω・´)←こんな顔された。

別に、俺も理系って
訳でも無いんだけど。
(これでも科学教師)


「そうそう、お兄ちゃん聞いてよ」

香奈はいきなり話を出してきた。

これでも仕事中なんだけど。



「なんか、気味悪いんだよね」



「…何が?」



俺は少し動揺した。

気味悪いんだよねって。


……。


すると香奈は、こう言った。



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