fragile ephemeral
予知と先生(1/7)



で、結局、

俺の大事な大事な、

貴重な貴重な休日は、

ほぼ、無駄に近い形で終わった。



…電話して呼ぶならさ。
せめて何するとかどこ行くとかさ。
なんか目的あるんじゃないのかよ。


変な奴だ、やっぱ。




ー「日向先生??あのー……」

「……あ、あぁ。ご、ごめん」

「い、いいえ。日誌、置いときます」

「うん。お疲れさん」



……これが、俺の仕事。

公立高校教師。

新任だけど、まぁ、
安定している公務員。

理科系、特に科学を教えてる。

……って、
誰に向かって話してんだ?

あー。
我ながら怖い。


……まあ、仕事をしている時は、
なんとなく、プライベートから
離れられるから。

半分無心でいられる。


………なんかな。

なんか、疲れた。

お?
もう21時過ぎてた。

日誌、置かれたまんまだ。

副担任はなかなかつらい。


ほぼ……雑用。

いや?
そんなこと言っていいのか、俺?

仕事は仕事。

雑用だろうと、雑用は雑用。


……ん?


雑用だろうと、仕事は仕事。


……そ。
それが正しい。


…………いやー、でも。

綺麗事だよな。

仕事という名の、雑用。


………って。
なーに考えてんだろ。

くだらねぇ、自分。

仕事があるだけありがたいか。



何となく、職員室に大滝先生が
入ってくる気がした。
あ、隣のクラスの担任の先生。


なんか、
そんな気がした。



……3、

2、


………1。




← *|# →

しおり
/193 n



⇒作品レビュー
⇒モバスペBook


BACK