★[堕ちた星](1/19)
ドサッ!!!
あたしとカナタは、萬田先輩の持っている壊れた石膏の手を凝視したまま。
セツナとミツルと、楠先輩は音がした中庭の見える、美術室の窓辺に走って行く。
「そ、、それ、、せ、、せんぱ、、」
あたしは、震えて声にならず、カナタもいまだ固まっている。
石膏の手のもがれた手首の部分から、真っ黒いズルリとした何かがが、垂れ下がっていた。
「なんだよ、それ。」
それが何だかわからなくても、人間は見てはいけないものを本能的に理解しているものだ。
セツナ達の叫び声が背後から聞こえてきても、あたしたちは、石膏の手から目をそらせずにいた。
石膏の手から、ズルリと出てきている、黒く長い髪の毛から。
- 166 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[
編集]
[
←戻る]