御礼短編集3
〇肝試し(1/4)
ビビり・幽霊
「もー田島ー。いい加減覚悟決めろって」
「ここまで来て嫌がんなよ。ほら、幽霊なんか出るわけねーからさっさといこうぜ」
「そうだよ、田島君。大丈夫だから行こ?」
「きっと面白いよ」
「やだやだやだやだ!もう無理!絶対出る!俺は入らない!こんな廃墟やだ!!お前らだけで行けよ!俺は行かない!やだ!!!!」
『うわ、なにあいつ』
『凄い駄々こねてますねー』
『大学生の集団か。さーくるってやつ?』
『私あの怯えてる子を脅かしたいわ。恐怖のどん底に突き落としてぎゃん泣きさせたい』
仲間と一緒に呆れてハァと溜息を吐く。
あの茶髪、見るからにヘタレじゃん。
わざわざ肝試しに来る必要ないだろ。
『ねぇ、リーダー。私があの子担当して良いわよね?』
『やめとけ』
『え?』
『あのへなちょこは俺がやる。それ以外は自由に決めろ』
『肝試し』
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