ウイルスゲーム  
  ム (1/4)








「百合‥‥」









「好きだ。」








涼汰の声は、腕の中にいる愛しい人を包み込むように、甘く優しく響いた。





「ずっと、ずっと、百合の事好きだった‥。」





涼汰の声が、徐々に掠れていく。
その腕に愛しい人を抱き締めながら、涼汰は思い出す。


百合と過ごした日々を。



「1年の最初の頃さ、掃除当番でバケツひっくり返して、百合にめっちゃ怒られたな‥思えばあれが第一印象だった。怖い奴いるーって。」


百合の耳元で涼汰が笑う。



「だけど、帰りによく食べたアイスクリームさ、俺が落とした時、半分こしてくれたり、あぁ、結局、バケツの水も拭くの手伝ってくれたっけ。」



怒りっぽくて、だけど、優しさを皆に振り撒いて、気が付くと目で追ってたんだ。



「涼汰‥‥、私も、」


「あっ、後さ、」



百合の声は涼汰に遮られた。



「1個謝らないといけない事があるんだけど‥」



涼汰の真剣な表情に百合の胸が高鳴り、続きを促した。



「な、何‥?」






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