愛月撤灯
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01

Side〜S〜

「お前、気をつけろよ。」

オープン前の店内で掃除機かけてたらケイくんがタバコふかしながら言ってきた。

「え?何ですか?」

音でよく聞こえなかった。

尋ねたものの掃除機をかけ続けて、やっと終わったところでまたケイくんが口を開いた。

「だから、気をつけろよ。って。」

あぁ、聞き間違いじゃ無かったのか。

気をつけろよ。なんて身に覚えが無かったからてっきり聞き間違いかと思ってた。

「何がですか?」

「何がってーー元カノとか女とかそういうの。」

「え?」

サヤ?

サヤの何に気をつけろって?

「会ってんだろ。」

「ーー。」

ほんと怖い。この人。

「んで、ミヤビとも何かあった?」

「なんで、」

分かったーー?

「数日来なかったし。昨日のお前らなんか空気違ったし。」

昨日ーー《 華音》に飲みに行って《JEKYLL and HYDE》で飲んでーー

帰りにミヤビから好きだと言われたあの昨日。

「割り切ってんならあちこちつまみ食いしようが構わねぇけど。
そうじゃないなら気をつけろ。
また2人が鉢合わせしてみ?俺の気苦労が増える。」

「ーーすみません。」

「お前ーー」

「はい。」

「そんなモテる奴だっけ?」

ーー。

さぁ?

こっちが聞きたい。

遊びでなら結構声掛けられてきたけど。

本気の恋愛なら別にそうでも無かったはず。

言い訳だけど。

俺らって本気の恋愛には向いてないイメージ持たれてる。

何でこうなったんだっけ?

確かにミヤビといると楽しいし気負いせずに自分を出せる。

けどそれって、恋愛感情が無かったから。

好きでいて欲しい。って思いがなかったから自分を飾らずにいれただけ。

好かれたいな。って女にだったら俺だってちゃんとそれなりの行動取る。

ミヤビの事はーーただの気のいい友達。

年上が好きだって言ってたじゃん?

頼りになる男らしい人が好きだって言ってたじゃん?

俺ーーあいつの前でそんな行動とったっけ。

酔って吐いたり髪乾かして貰ったり撫でて貰ったりーー甘えさせて貰ったり。

結構正反対じゃん。

訳分かんね。

初めて会ったのはーーあぁ、俺がサヤに振られた祝いとかいう名目の飲み会の時。

トイレで鉢合わせ。って割とシュールな俺らの出会いーー





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