To sky−2人の空―
[すれ違う空](1/1)



「――ねえ!奈緒ってばぁ!!」



理以の声にはっと我に返る。


「どうしたの?奈緒。涙なんか流して
さっきから呼んでるのに反応ないし」


「いやっ…。ただ、混乱してて…」


「何かあったの?」

「ううん。別に、何もない」

「そっか。何かあったならちゃんと言って?じゃないと、心配だよ」

「ありがとう。理以」




――やっぱり、キミだったんだね…


廊下側の一番後ろには既に人だかりができている。

女子特有の甲高い声が教室中に響いている。


私はキミを見るに見れないでいた。


キミとは小学校以来。
会うのは3年ぶり。

あんな別れ方をして、話せるわけがない。

なんでキミはこの教室にいるのだろう


この世に神様がいるならな、偶然にもほどがある。

見たのはほんの少しだけど、背が伸びてとても、大人に見えた。

3年前より、ずっとずっとかっこよくなっていた。


キミは3年前はずっとずっとかっこよかった。


君はわたしをどう思っているのかな?



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