僕が引きこもりを始めたのには理由がある
[扉を閉じた理由](1/1)


 僕がその扉を閉じたのには、理由がある。

 ひとつは裏切り、それも大事な仲間からの。仲間だと思ってた友人からの。さらに暴力もある。

 その行為は、どれも卑怯きわまりないやり方だった。

 学校に通う僕には、とても仲の良い友人がいた。

 全部で四人。全員が小学校からの幼馴染だ。

 トシカズ、イチヤ、アイ、マリア。

 簡単に「元」友人たちを、説明しようか?

 のっぽ、ぶっきらぼう、お喋り、おせっかいの順。

 男、男、女、女。

 並び替えても噛まずに説明できるぐらい、僕らはお互いをよく知っている。

 お前はどうなんだって? 自分のことは、キレイ好きな中学生だとだけ言って
おこう(神経質なんて悪口は知らない)。

 小学校は一年の頃から全員友達になって、男も女も関係なく、六年間いつも一緒にいた。

 卒業して同じ学校《ガッコ》に進んで、一年間は何も変わらなかった。

 もちろん、体は大きくなったよ? チビのアイは別にして。

 でもお互いの事を思う気持ち――臭いけど友情的なやつは、変わらないと思ってた。

 そう信じてた。この扉を硬く閉ざすまでは。



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