東京剣士
[鬼副長の目にも涙](1/13)
慶応三年(1867年)
坂本龍馬が、近江屋で暗殺された。
未だ、実行犯すら特定されていない、この事件であるが、殺されたのが、有名人物であった為、都中に、風の様に情報が回った。
誰が犯人か、どこの藩の命令か、幕府の密命か、都はそんな話で持ちきりだ。新選組内部でも、時折隊士たちが、話しているのを聞く。
下手人が特定されていない。これを原因として、祈がある情報を持ち帰る。祈には、島原で遊女に化けて潜入させ、薩長その他倒幕派の動きを探らせていた。
祈の諜報任務は、驚く程に上手くいく。それに甘えて、俺はいつもいつも、祈に行かせる事になってしまう。
祈は毎回、掴んだ情報のみ簡潔に述べると、そそくさと退出する。その為俺は、彼女の任務は、初めから終わりまで、全てうまくいっていると思っていた。
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