紅葉3(1/3)
「若葉さんの知らない、アロエですか?」
「そう。あっ、ここら辺で売ってるアロエなら全て知ってるから。どう見えてるか知らないけど、そうそう知らないアロエなんてないから。」
「……。わかりました。持ってきます。」
「お願いね。モミジ。」
「紅葉です。」
「あっ、ごめんなさい。紅葉。」
そう冷たくあの人に言い捨てられた。
※※※※※※※※※※※
あの人から出された無理難題。
どう考えても、俺にはたどり着けそうにないんですけど。
はははっ。
俺、嫌われてたんだなぁ…。
「モミジ。……、どんまい。」
落ち込む俺に、そう言うのは山 孝(やま たかし)。
「若葉さん、伊達に植物学者目指して無いぜ。特にアロエについては詳しそうだしさ。」
「わかってる…。頼むから、これ以上、俺を落ち込ませさせないでくれ。」
山の言うとおり。
あの人が知らないアロエなんてあるわけがないんだよなぁ…。
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