それでも生きていたい理由
[#03](12/12)
保健室前にあるスリッパを置く棚の端に自分の上履きを見つけてそれを手に取り下へと置いた。
丁度足を入れるタイミングで先生が軽い足取りで戻ってきた。
「体調は良くなったかい?」
心配性なのか?
顔色を伺うように覗き込んでくる。
「えーっと…はい。帰ります」
逃げるかのよに急いで背を向ける。
「えっと…立花くん?」
僕の行動に不思議がる先生。
そりゃそうだろうね。
初対面でさっきからこれだもん。
不思議がるのも無理はない。
返事はせず動きを止めると、先生は突然
「しんどかったらいつでもおいで」と頭を優しく撫でてくれた。
人生で一度も頭を撫でられた経験のない僕。
恥ずかしながら…その場で軽くショート。
先生はそのまま何も無かったかのように保健室の中へと消えた。
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