それでも生きていたい理由
[#02](3/21)
兄たちも後々、家を出た。
広々としたマンション。
残されたのは、僕だけ。
ピーンポーン…
――誰??
急なチャイムの音が部屋に響く。
僕はゆっくりとした足取りで玄関へ向かい戸に手を伸ばした。
「……誰、ですか…」
頭だけを外に出してみた。
「わっ!」
「……なに」
突然大きい声をあげ驚かそうとしてきた1人の少年。
僕を見て笑うなり部屋へ押してきた。
「ちょっ、危ないだけど…」
「はいはい!すみませーんね」
勝手に家に入って玄関を閉める。
そのままそいつは靴を脱ぎ、部屋の中へズカズカ侵入していく。
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