それでも生きていたい理由
[#02](21/21)
手の中に違和感を感じる。
―あ。
折り畳まれた小さな紙。
忘れてた。
部屋のコタツの電源をいれて入ると、すぐその紙を開ける。
『大事な大っ事な幼馴染みへ』
一番上に文字が見えた。
どうやら手紙になっているらしい。
―大事な大事な…幼馴染み、って僕のこと?
続きに書かれた言葉を読んでいく。
『これを読んだって事はそばに俺はいないんだな。
はっきり言って悲しい。
照のそばにいつもいるのが俺だったらいいのに。
なんて、ずうずうしいかな俺…。
中学はばーちゃんの地元で行くんだってよ。姉貴も兄貴も田舎楽しそうとか言ってる。
あーでも俺、高校はそっち帰るからよろしく!それまで待っててな?
話す内容グダグダでごめん。
相棒太一様より 』
太一らしくて笑った。
可笑しい、お腹痛いよこの内容。
読み終えそのままジャンバーの中に紙直し、思い出し悪いを繰り返し笑い転げた。
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