それでも生きていたい理由
[#02](2/21)

いつからだろ。
父さんが、本格的に帰ってこなくなった。



……父さんは?」


聞いた僕が間違いだったのかもしれない。

兄さん達が僕を見て笑う。
馬鹿にしたように。

見下すように……



「何言ってんの?お前……

「―え?」


「捨てられたんだぞ、お前は。――可哀想に。笑」


そう言った兄の口調は、心配と言う言葉より心底楽しんでいる。






そっか。
……僕はもう、本当にいらないんだ。





心のどこかで少し安心してる自分と、どうしてと必死に何かにしがみつこうとしている自分がいた。





- 19 -

前n[*][#]次n
/59 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]