小さな小鳥さんと広い青空さんの物語
[夢…](1/1)
夢をみました。
くらくてこわくてさむいさむい夢…

わたしは言われた
「お前なんて、必要ない。死ねばいいんだ。」
あなたは、
さむい。
くらくてこわくてわたしにはもう近づけない。
黒く淀んだあなたには、何があったの…?
なんで…
なんでぇ?
そんなひどいことばっか言うの…?

わたしは走った。
小鳥なのに、走った。
あなたに会いに走った。

飛ぼうとは何回もしたょ…?
でもねぇ、こころが重たすぎて飛べなかったの。

さむくてさむくて、こわくてこわくて…
あなたしか考えられなかった。


でもね、あなたはいなかった。
空からは雨が降ってたの。
くろいくろい空だった。

わたしは、どうしようもなく悲しくなって…
くるしくなって、惨めになって…


泣いた…
ひとりで泣いたの…

あぁ…
きっとこのくろい雲の上にはあなたがいるんだねぇ…
広くて雄大で美しいあなたに会えると思った…





だから、死んだ。
雨がざぁざぁ…ざぁざぁざぁ……
冷たかった。
結局、あなたには会えなかったの。

死んだわたしを見て、ひどいことばっか言う人はうれしそうだった。
とてもうれしそうだった。
悲しかった…

わたしは死んでもさむいんだね…

最期くらいは、あなたのほんとの温もりに触れていたかった…
あなたの腕の中で死にたかった…


ねぇ、お空さん…

あなたは死んだわたしをみて、泣いてくれますか…?

抱きしめて…くれますか…?






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