孤高の女〜悲恋詩〜
[痛定思痛](1/41)
ーーー…3年前ーーーーーーーーーー
「…なぁ、俺にして。俺を…好きになってよ。」
大学のソフトボールの合宿中、呼び出された午前2時。
大学のバスの裏で私達は密会していた。
「えっ…と…何…?」
「俺、七瀬ちゃんが好きや。」
「…っ……。」
嬉しかった。
友達としか思ってなかったけど、私が元彼に浮気されてた時、一番に話聞いて怒ってくれた人。
1年生の頃から気が合って、仲良かった人。
そんな人が私のことを好きだったなんて思わなくて…。
「…本気で言ってる?」
もし私がOKしたら、友達ではなくなる。
ダメになったら友達に戻れなくなる。
大事な人だからこそ、怖かった。
「本気だよ。七瀬ちゃんといたら楽しいし、一番近くで一緒に笑っていたい。」
「うん…、わかるよ。わかるけど…少し考えてもいい?」
自分がまだ恋愛感情を持てていないことと、友達だっていう不安で決断できずにいた。
友達ではなく、“男の人”として意識してみなきゃわからない。
「わかった。俺さ、明日の試合かっこいいとこ見せるから、ちゃんと見ててな?」
そう言っていつもの様に笑うから、私も笑顔を返した。
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