孤高の女〜悲恋詩〜
[一虚一実](1/18)



講義が終えるまでに落ち着きを取り戻し、外に出た。



………………。」



やばい、ちょっと恥ずかしいかも



何ていう弱みを見せてしまったんだろう。



お礼を言いたいんだけど、どう切り出そうか。




私の前を歩く二人をチラッと見てみる。



さっきまでの言い合いは嘘かのように、楽しそうに話してるし。



何なの、もう




「オネーサン、俺と帰るよ。」


急に振り返ったかと思えば、そんなことを口走る侑李くん。




「俺は早めにバイト行くから、またね。」



二人共、さっきのことには一切触れないのかな?




ありがとね。」



触れないでくれて



優しさをくれて



ありがとう。





「えっ、何、俺が帰ってくれてってこと?」



何となくわかってるくせに、そんな冗談で明るくしてくれるジョーくん。



「ばか。」



私がそう言って笑うと、ジョーくんも嬉しそうに笑った。




「んじゃ、行くよ。」



私の手を取って歩くのは、もちろん侑李くん。




今日はイケメンと手を繋ぐデーなのかな










- 65 -

前n[*][#]次n
/243 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]