孤高の女〜悲恋詩〜
[歳月不待](1/22)
私だけが立ち止まってることくらい、わかってる。
みんな時に身を任せ、前に進んでる。
私ばかり、過去に囚われ足踏みを繰り返す。
引っ張って行って欲しい気持ちと、ココに立ち止まっていたい気持ちが交差する。
「元彼の名前?」
「っ!!」
私、口に出してた?
「一途なんだね。」
そうじゃない。
依存していただけ。
好きを通り越して“必要”になっていた。
「俺にはさ、そんなに好きになった人いないから、気持ちはわかってあげられないけど…。何でそんなに人を想えるの?」
そんなこと、私が知りたい。
「今になって思うと、本当に好きなのかわからないんだよね。ただ、大切で私には必要な人…。」
恋愛要素というより、最早家族みたいな存在。
いて当たり前、そこにあって当然の人。
「尚更、俺にはわかんねぇや。」
「いつかわかるよ。ジョーくんにも。」
私も3年前まではそうだったから。
大切な人なんて、急にできて、それがかけがえのないものに変わっていく。
自分じゃ制御できなくなるんだ。
「そういうもんかな。」
「うん、そうだよ。」
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