君に、花を。 正体と亀裂(1/20)






らいさんに引っ張られたまま連れて来られたのは、校舎の裏側で。

そこにある階段に腰掛けるらいさん。

アッシュグレーの髪が風に吹かれて揺れた。


「んで?」

「えっ?」


顔を上げて聞いてきたらいさんに首を傾げれば、顔を歪めた。

めっちゃ嫌そうな顔をした。

めっちゃ、ホントに嫌そうな顔をした。


「だから、どうせ聞きたいことあんだろ。じゃないと誰にでも付いてくのかよ」

「いや、らいさんが腕を引っ張ったからで、」

「じゃあ何も聞きたいこと無いんだな?分かっ」

「わーーーありますあります!!!」


腰を上げようとするらいさんを慌てて止める。

確かに引っ張られたけど、確かにあそこでする話でも無いしな。


「うるせぇ


不機嫌そうに顔を歪めるらいさんにどこか申し訳ない気持ちになった。


「ら、らいさんは何でこの高校に?」


気を取り直して聞けば、嫌そうな顔をするらいさん。


「俺ここに通ってんの。」

「はぁっ!???!」


驚きすぎて大きくなった言葉に、もっと嫌そうな顔をするらいさん。

綺麗な整った顔が歪められていく。


「アイツは特殊なわけ。白龍の敵だから」


そう放った言葉に少しだけ納得した。

だからこの街が嫌いって言ってたのか。


……… お前はさ、あいつの事守れんの?」


暫く黙り込んだ後、そう聞いてきたらいさん。

洸を、守る?

訳が分からず黙っていれば、らいさんは溜息をついた。


「まぁいずれわかる事だけど」


そう言って立ち上がり、去ってしまったらいさん。

…… 結局、らいさんがこの高校に通ってて、洸が白龍の敵だって事しか分からなかった。











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