中学生戦争

・団結 ( 1 / 6 ) 



 朝目が覚めると、先に起きていた数人がざわついていた。

「どうかしたのか?」
「連合軍側の中学校が1つ、帝国軍の襲撃で陥落したんだって…」

わずか一夜のうちに襲撃し、中学校1つ陥落させたというのか。やはり帝国の力はかなりヤバいということを実感する。

最前線の学校故に連合軍の防衛部隊も多数集結していたはずだ。それすら蹴散らし、学校を占領したというならば、ここを拠点に、北部侵攻を進めるに違いない。帝国軍にとって北部侵攻には都合のいい拠点だからだ。

皆でいろいろ話しているうちに、二ノ宮が教室へ入ってきた。

「9時から体育館で総決起集会を行う。制服に着替えて集合するように」

そう言い残して教室を出ていった。二ノ宮も相当忙しいらしい。

「体育館で総決起集会か…」
「全校生徒集めて気合いを入れさせる目的だろう」
「よく考えたら、俺たち生徒会の言いなりじゃねーか?」
「確かに、俺たちは生徒会の命令に従ってるだけじゃねぇか」
「私たちは生徒会の奴隷じゃないのよ!!」
「冗談じゃない、こんな戦争やってられっか!!」

皆口々に、勝手に話を進める生徒会への不満を語っていた。すると、高杉が机を思い切りぶっ叩いて怒鳴った。

「お前らいい加減にしろ!!お前らにはプライドってもんがないのか!?俺たちの母校が…俺たちが帝国学院なんぞの言いなりになって生活する日々…お前らはそれでいいのか!?」

高杉の怒鳴り声が響き渡り、クラスはしーんとなってしまった。


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