中学生戦争

・結成 ( 1 / 5 ) 



 

翌日。空は清々しく晴れ渡り、雨上がりの地面には水溜まりが太陽の光を受けて光輝いている。

いつもと変わらない日常。

この時は、そう思えた。


長い坂を登り、校門を通って昇降口へ。ラブレターでも入ってないかと期待しつつ下駄箱を開けるが、もちろん入っていない。


教室に入り、椅子に腰かけて一息着いた。鞄の中身を机の中へ移していると、前の席へ男子生徒がやってきた。

彼は二ノ宮隆弘。俺の幼馴染みで親友だ。昨日は風邪で休んでいた男だ。

「よう二ノ宮、風邪はもういいのか?」
「ああ、いくらかよくなった」
「…今日は随分とお疲れのようだが?」
「やっぱりわかるか?」
「ああ、端から見てもすぐわかるぞ。なんかあったのか?」
「いや、なんでもない」

そう言って椅子に座り、また深刻そうな顔をしてため息をついた。よほどのことがあったのだろうか…?

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×しおり×
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