私、どうすればいいですか?

[鍵を拝借](1/4)




話は放課後へと進みまして、私は都築さんとそのお仲間お二人と共に職員室の前の廊下を歩いていました。職員室は明るいですが誰もおらず、案の定扉には鍵が掛けられており、会議中と書かれた紙が貼ってあります。

好都合なことに、廊下を歩く生徒は私達以外には全くいません。良い条件は揃っているにも関わらず、緊張していました。しかし、都築さんらにはそんな様子は見られません。



計画は以下の通りです。

都築さんは扉を開き、そこで先生を待っている振りをして見張り役。私は他のお二方と気づかれないよう鍵を丁寧に探す。いたって単純な作業な上、制限は一時間以上もあるので、そう考えてみれば余裕かと思われます。


そもそもの問題として、鍵の情報の信憑性が気になるところではありますが、都築さんのことなので、また必要ないと言うに違いありません。私は歩兵の駒の一つでしかないのです。諦めて私は、鍵を開ける都築さんの後ろに立ちました。



「じゃあいくよ」



小さく都築さんが合図をし、同時に扉が開けられました。

お仲間の一人が先に入り、誰もいないことを確認したので、私たちは言われるがままに、恐る恐る職員室へと足を踏み入れました。初めて空き巣をする泥棒の気持ちのようでした。



- 6 -
前n[*][#]次n
⇒しおり挿入
/218 n


お知らせ
→4月7日更新



⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]