[勇気と希望](1/7)
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身を隠しながら村に戻って荷物を拾ったあと、ルカたちは無事に村人に気づかれることなく、村を出ることができた。
気づくと、初めに夕陽に染まったこの村を見たあの場所にいた。
あの時、なにも知らずにわくわくしていた自分。
つい昨日のことなのにずいぶん昔のことみたいに感じる。
ルカは立ち止まると、振り返って村を見た。
夜の闇に溶け込んで、光だけがその存在を主張している。
向き直って、少し先で待っていてくれたラナに追いつくと、今度こそ村から遠ざかるために歩き出した。
その時、ふとかすかな呼び声を感じた。
ありえない。
そう思ったのに身体は勝手に歩くのをやめていた。
自分の名を呼ぶ声。
かすかに身体に響く、馬の蹄の振動。
近づいてくる。
まさか・・・でも!
ルカは次の瞬間、勢い良く振り向いていた。
「ルカ! よかった間に合った!」
ルカたちが今歩いてきたその道。
そこにいたのは一頭の馬に乗った三人の姿。
「リュイ、アイラ、クレイ・・・どうして」
呟くと、転がるように馬の背から降りてきたリュイが、飛びつくようにルカの腰に抱きついた。
小さな身体を抱きとめて、ルカは驚きに目を見開いた。
「だって、ルカたち黙って行っちゃうんだもん。ひどいじゃねーか。おれ、なんにも聞いてない」
なじるように言って、逃がさないと言うように、しがみつく腕にぎゅっと力を込める。
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