Truth-Love。。。
   まさかの出会い

    ( 1 / 4 )

゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚

次の日の放課後、あたしは廊下を歩いていた。
意味はない。ただ家に帰りたくない気分だっただけ。
静かな廊下に、あたしの足音だけが響く。滑り止めが剥がれつつある階段を登り、その行き止まりにある重い扉に手をかける。不協和音を奏で、扉は開いた。この音は嫌い。
そこに広がるのは、夕日で朱く染まった空と、お揃いの色で染まったコンクリートの地面、屋上である。

足を踏み入れたとき、なぜか思い出した漓歌の残念そうな顔。隆と1ヶ月記念日を過ごせないと嘆いていた。
あたしは緩みそうになる頬を必死に抑え、同じように悲しげな顔をしてあげた。。
まだ知らないものね?これからもっと貴女にとって辛いことが起こるなんて。

「バカじゃないの?」

含み笑いをしながらあたしは呟く。全く、傑作だ。まるで喜劇でも見ているよう。

ゆっくりと腰を下ろし、地面に寝転んだ。コンクリートの冷たさが制服を通して、背中を中心に伝わってくる。
笑える、この世界が、愛だ恋だと正当化するバカどもが。

- 10 -
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚
□栞
/15 n
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚
゚+。:・:。+゚・:。+゚・:。+゚