．第11章 ミネソタ州米軍基地 1/11
リトミネンコは、ロシアからドイツ、さらにイギリスへと渡り、ＭＩ６の主導で何とか亡命することができた。ロシアの勢力圏を抜けた後はたいした危険もなく、まるでロシアでの銃撃戦が夢のような出来事であったかのような錯覚を覚えた。
リトミネンコは、ミネソタ州にある米軍基地へと案内された。通常は、亡命者に対して、目隠しなどをして五感を奪い、その上で取り調べを行うのがセオリーであったが、リトミネンコは丁重に『ゲスト』として扱われた。
そのことにも違和感を感じたが、さらに違和感があったのは、ゲストというよりも、自分自身がＶＩＰ待遇を受けていることであった。
そして、その理由は米軍基地で『ある人物』に再会したことではっきりとした。
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