.第8章 物質か、人か 1/5
トーマスは、さっそく自分の情報提供者であるCIAの幹部と面会をした。
確かにCIAは動きが活発で、アポを入れるのにもずいぶん手間と金を使ったが・・・
そのおかげで、トーマスのもとにある情報が寄せられた。これがあるのとないのとでは、この会見は大きく意味を変えてくる。どうやら第2次大戦中のナチスの秘密研究所の資料や人員、これにかかわる『何か』のルートをロシアのKGBが入念に洗いなおして追っているという話であった。
ということは、これをCIAも追っている、と捉えて問題ないであろう。
(さて・・・追っているのは『物』か『人』か・・はたまた?)
その日、インタビューを許可されたトーマスは、さっそく切り出した。
「ロシアでひとりの女性将校が暗殺された・・・それは当然知ってると思うんだが・・・問題は、この女性将校は、『あるルート』を証拠とともに立証する何かを手に入れた、ということらしいのだが・・・」
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