トライアングル
Section6. 葛藤 1/6
「はぁ…」


落ち着かなくて部屋を出て、勢いで外まで来てしまった。
せっかくだから来るとき見つけた近くのコンビニを目指す。



――なんであんな事言ったんだ。


『お前がそれでいいなら、俺は構わないけど』


全然構わなくない。


一緒に寝る?
無理だろ。


いくら部屋が繋がってるとはいえ、襖を閉めてしまえば密室になる。



どうせあいつのことだから、からかい半分で一緒に寝るとか言ったんだろうって、わかってんのに。




――風呂上がり。
出て来た美琴を見て心臓が跳ねた。

上気した頬。

濡れたまま、無造作にクリップでまとめ上げられた髪。

浴衣の衿元から覗く鎖骨。

動くたびに見えそうになる…胸元。


意識しだしたら、まともに顔も見れやしない。

そんなこと知る由もない彼女は横で呑気にコーヒー牛乳を流し込む。

その上下する喉まで、なんか…とにかくやばくて。

気付いたらぼうっと見てた。



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