キミを想う

○不可思議(2/5)












日向の話をほとんど耳に入れず、俺は部屋の隅にあった時計に視線をうつした。

さっき、何時だったっけ。

時間確認してなかったけど、30分なんてあっという間だ。もう時間ないよな。

それに、べらべらとマシンガントークをする日向に興味あるわけでもない。

都合上無視は出来ないから、話を聞き流しつつ適当に相槌打ちながら着替えるか。

「そんでさぁ、俺が竜騎の看病するって言ってんのに親父のヤロー。お前が看病なんかしたら治るもんも治らねぇって。ひどくね?」

「そうだね」

日向の服もチャラすぎて俺好みじゃないけど、そんな贅沢言ってられない。

日向の服か中津さんの服。

だったら、日向の服のほうが中津さんのダサ柄シャツの服よりも数百倍はマシ。

今日だけ我慢するか。

飯買ってる途中で光牙さんの目盗んで抜け出して、服とか日常品買わねーと。

ここはやたらひと目が多くて自由が少ないからな。このチャンスは逃せない。

「なんか、ストリップショーみたいでドキドキすんねー。コレ。合いの手いる?」

「いらないかな」

馬鹿が馬鹿なこと言い出すから、同じ男の前なのに着替えづらくなった。

なんだよストリップショーって。

アホか。

「日向さん、こんなところにいた…。竜騎の部屋の前でなにしてんですかアンタは」

「んー、セクハラ?」

ふすまで姿は見えないが、この落ち着いているのにドスのきいた低い声。

間違いない、光牙さんが来たらしい。

「わかりました、訴えます」

「冗談通じねーなー、おじさん」

「アンタのオジサンになった覚えはないです。てか、死んでもお断りです」

光牙さんが日向の相手をしているうちに、サッサと借りた服に着替える。

やっぱこーゆー服は落ち着かないな。

「あ、ストリップショー終わってるじゃん。光牙が邪魔すっから。ばーかばーか」

「人の甥になにさせてんですか。勝馬さんの息子だろうがしばき倒しますよ」

言い合いなら向こうでやってくんねーかな。

目の前でやられたらどうすればいいかわかんねーし、かなり気つかう。




- 16 -
前n[*][#]次n
bookmark
/103 n


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[edit]

[←戻る]