キミを想う
○家族(7/7)
俺の心配をしてくれているレインさんは、光牙さんの命令に中々うんと頷かない。
俺の事はもういいのに。
こーゆーヤツをお人好しっていうんだ。個人的には利用しやすいから好きだけど。
「竜騎は俺が連れて行く。…行け」
「はい」
「ッ…はい!」
レインさんと中津さんは、それぞれ返事をして慌ただしく部屋を出て行く。
ん…?あ、部屋から出て行く間際に中津さん俺の事睨んだ。って…おいおい。アッカンベーって…なにそれ。ガキかよ。
「中津!!」
「あっ、はい!!」
俺への挑発行為に気付いた光牙さんがひとつ声をはれば、中津さんははじかれた様に背筋を伸ばしてレインさんの後を追っていった。
ふ、馬鹿じゃん。あの人。
「矢柄、お前は…」
「俺も仕事してくるよ。少し休み過ぎたしね、あんまりサボってたら怒られちゃうや。じゃあ、竜騎くん。お大事に」
光牙さんが指示を出そうとした途中で、矢柄さんがヨイショと立ち上がり微笑む。
自分も何か指示を出されると、最初からわかっていたみたいな表情だな。
初見から思ってたけど、この人は中津さんみたいな馬鹿じゃなさそうだ。
…注意しとくか。
「竜騎」
「はい?」
うわ、気付いたら2人になってる。ヤクザの叔父と部屋に2人きりとか怖いんだけど。
なんつーか、殺されそう。
「出前とるか?」
…は?出前?
「え?…なんで…」
「なんでってなぁ…何も食ってねーんじゃ相当腹減ってんだろ。それとも具合良すくなってんならコンビニ行くか?車で送るぞ」
俺がさっき腹へってないって嘘ついたの忘れたわけ?矢柄さんの飯食べなかったのに即コンビニって。…そんなんいーの?
絶対に許されるわけ無いと、あとでこっそり1人でコンビニにいくつもりだっただけにその提案には少なからず驚く。
いや、試されてんのかも。
これで行くなんて言ったら…隠れてる奴らに殺されるとか?…ありえるな。
「くっ、」
!?
「くくっ、くはっ…」
「…なんですか?」
なんだこの人、いきなり笑い出した…。どっかのネジが緩んだか…?
「くっくっ、いや、悪い。お前が警戒心強い猫みたいで可愛くてな」
あぁ、気が狂ったのか。
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