キミを想う

○家族(1/7)









ん…

「…から、…で…」

…誰か喋ってる?

身体がダルくて指1本動かせない。

それでもなんとか重たい瞼を持ち上げたら、和風作りの天井が目に入っ…た!?

は!?

身体のだるさも忘れてガバッと起き上がる。

どこだよここ。つーか、なんで俺こんな所で寝て…あー…そっか。そうだった。

起き上がった俺を凝視してくるのは、見覚えのある金髪と知らない外人美形男。

そうだ。

俺、この人らに連れて来られたんだった。

「気分どうっスか」

「え」

「体調。今具合、大丈夫なんスか?」

驚いた。まさか金髪が俺に対して敬語で話しかけてくるとは思わなかったから。

不本意そうだが丁寧に話しかけてくるから、俺も丁寧に「大丈夫です」と答える。

“そっすか”と、どうでも良さそうにつぶやく金髪を眺めていたら段々思い出してきた。

この人の荒い運転で車酔いして、パーキングエリアで人形みたいに担がれたり横抱きされたりしたあげくに意識を飛ばしたんだ。

身体はダルいけど吐き気はない。

むしろ、すっきりしている。

「オール…おじさんはどこですか?」

あぶねぇ。

心の中でオールバックさんと呼んでいたから、うっかりそう呼んでしまいそうになった。

「おじさんて…光牙さんのことッスか。あの人、まだ28っスよ。おじさんはないだろ」

「あ、すみません」

金髪が嫌そうな顔をしたから慌てて謝罪する。

でも、じゃあなんて呼べば良いんだよ。俺にとっては叔父にあたるんだろ?

…ていうか、オールバックさんあれで28歳なのかよ。謎の迫力や威圧感と落ちつきぶりからして、もっと年上に見えた。

「じゃあ、上に報告してくる」

「おーよろしく」

流暢な日本語と柔らかな笑顔で言って、外人さんが部屋を出て行く。

ふすまが開いた時に一瞬見えた外の景色は、すっげー綺麗な庭園だった。

なんかヤバいとこなんじゃねぇかな。

「…光牙さんが来たら謝ったほうがいいっスよ」

「え?俺、何かしました?」

車に酔ったところまでは覚えているけど、意識がなくなってからは何も…

もしかして、吐いたとか?

「光牙さんの腕の中で…しかも、お気に入りだったサングラスに思い切りゲロぶちまけたの忘れたんスか?」

「すみません」

そーだよ、俺。サングラスを勝手にとった挙句に“目つきワリィ”とか暴言吐いたじゃん。

もう黙れよそこの俺。

なにやってんだよ死にてぇのか。

そのうえ結局ぶちまけるって、なにやってんだよ死にてぇのか(二回目)。

スパーンっ

とんでもない失態に自己嫌悪に陥る。どうしたものかと頭を抱えていたら襖が勢いよく開いた。

「起きたってー?」

オールバックさん…かと思いきや、俺と同年代くらいの華奢な男が立っていた。

明るい茶髪に多量のピアス。派手な服装で、かなりチャラついて見える。

「おはよ。ゆっくり眠れたァ?」

「…はい。とても」

見た目だけじゃなく喋り方までチャラ男かよ。何を目指してんだ。

ニコリと笑んで答えたら、目を丸くしたあとチャラ男も満足気にニィと笑った。

「学校は明日からな〜。今日まではゆっくり休むといいってさっ」

学校?

「ありゃ?聞いてねぇの?」

「何をですか?」

学校は辞めさせられると思っていた。違うのか?…明日からって、どういう…

説明を求めるためにチャラ男をみたら、それを察したのか視線を逸らされた。

…ねーわ。








- 8 -
前n[*][#]次n
bookmark
/103 n


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[edit]

[←戻る]