胎動に涙を浮かべる (1/11)
汚れると思った。
背負わせるつもりなど無い。
しかしながら誰かが背負わなければ、この世界は崩壊するだろう。
愚か者達は唄う。
罪を擦り合って擦り合って、それで何かが変わると本当に思っている。
エゴとエゴを磨り潰して、固めて、ぐちゃぐちゃに丸めたエゴよりも、愚かに。
邪魔をするなと喚いてしまえば。
閉ざされた閂など開け放ってしまえば。
そして、そして。
唯一の温もりだけを左手に従えながら、自由の宙の下へと這いずり出てしまえば。
醜くも、哀しくも。
たった一つの守るべきものがあればそれで良い。
温もりよりも、慈悲を下さい。
それ以上は望まない。
それ以下も望まない。
だけど、ねえ、願わくば。
永久に汚染されない君で居て。
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