浅葱色の夢

▼ 第七章[壬生浪士組](1/58)




「ふつつか者ではありますが、暫(しば)しの間お世話になります」


そう言うと、沖田さんは深々と頭を下げた。



「あ、あの!そんなに畏(かしこ)まらないで下さい……。元の時代に戻るまでの間、自分の家だと思って自由に過ごして下さいね」





三村を撃退したあたし達は今、家のリビングに集まっている。


あたしと叔父さんはソファーに座ってるんだけど、沖田さんは何故かフローリングの床に正座していた。




足、痛くないのかな……?

「総司、そんな所に座ってねぇでこっちに来いよ」



L字型のソファー。

自分の右隣りをボスボス叩きながら、叔父さんは沖田さんに手招きをする。


「あ、はい。では、失礼します……。うわっ!?」


緊張気味に叔父さんの隣りに移動した沖田さんは、ソファーに尻を取られ……って言うのも変な言い方だけど、フカフカのソファーにお尻が沈み込みバランスを崩していた。




なんか、面白い……。



「ふふ、何か飲み物持ってきますね」



部屋の中は暑く、喉が渇くんじゃないかと思ったあたしは、そう言ってキッチンへと向かう。


途中、クーラーのスイッチを入れて麦茶を人数分用意した。





- 212 -

前n[*][#]次n
/687 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


[←戻る]