届かない

初めてのデート ( 1 / 2 ) 



 





いつもの帰り道。
いまだ慣れない陽太君との下校。






ただ、陽太君といるとなぜかむずがゆい。



車道側を自然に歩くところとか




私の好きなものの話を一生懸命つくってくれるところとか。





そんなことに気付くとなんていうか





心臓らへんがぎゅーってなる。




正体はわからない。























「今日休みでよかったよ!篠塚さんと帰れる。」





真っ赤な顔をする陽太君。


そんな赤くなるくらいなら言わなくてもいいのに。




だってあたしも陽太君と同じ色になる。










「…………部活...今度から終わるまで待つよ…」








無意識に出た。
自分でもびっくり。







思わずだよ?


一緒に帰りたいからとかじゃないよ?






たぶん…













陽太君をそ〜っと見る。


















陽太君は今まで以上の真っ赤な顔をしてあたしを見ていた。





「…なら今度からずっと送る!家まで!!」

「い..いいよ!!疲れてるだろうし…」

「危ないよ!…疲れないし...送る!!!」







2人共顔が真っ赤っかだ。






「…ごめん..ありがと.」

「…すっごい嬉しい!」
顔を右手で隠す陽太君。










ねぇ……胸が痛い。




だけど、嫌じゃないの。











この気持ちは何なの?






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