旅立たれました
チク...
タク...
チク...
タク...
と時計の音だけが静かに響く暗い部屋の中
カサリ─…
と動く人影が一つ。
その隣では静かに寝息をたてる固まり。
その人影はのそり、と起き上がると携帯を開いたのか部屋が明るくなる。
そして何か打ち込んだあとカチリと携帯を閉じると
隣に眠っている固まり、
─この部屋の主、理依に目を向けた。
そして体を曲げ寝転んでいる理依に近づくと
ゆっくり、ゆっくりと顔を近づけた。
そして
「クスッ...」
と笑い声を響かせたあと、その人影はゆっくりと体をおこし
バタン...
と音をたて
部屋をでていったのだった。
結果、部屋に残されたのは
寝息を立て続ける固まり、理依だった。
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