あ、はい。

○けじめ(1/11)




※氷河side










「あ、いたいた。氷河ー」

朝、校内で俺を見つけた秀馬。

手を振り近づいてくる秀馬(と、どうでもいいけど山原)に声をかけられただけで…

昨日のことが鮮明に思い浮かび、逃げたくなる衝動に駆られた(宇崎は即逃げた)。

「今日は4時間目が終わったらすぐ帰って。俺も後から行くから、ワクド集合ね」

「え?いや、俺、今日は最後まで残る」

「駄目だよ」

は、はぁ?

なんで?

学校をサボるかどうかは俺が決めることで、いくら秀馬でも指図される義理はねぇ。

ってか、最後まで残ったほうが一緒に帰れて…おっ…、俺的には嬉しいんだけど。

「秀さんは炎豪先輩に早く帰って欲しいんだよ。好きな人のお願い聞いてやったら?」

ピクッ

秀馬の後ろからヒョコリと顔を出した山原を見て、反射的に拳を握り締める。

スタンガン押し付けてきやがったくせに、なに普通に話しかけて来てんだよ。

危険物が。

「たんまたんま!今日はなにも持ってないからさ、そんな警戒しないでよー。ねっ?」

「あ゛?ナメた口聞いてんじゃねェぞ」

昨日は不意打ちでやられたけどな。

今回はそうはいかねぇ。

スタンガン持っていようがなかろうが、今日はコイツに一発いれる予定で学校に来た。

「俺はやられたらやり返す主義なんだよ」

「えー?俺、炎豪先輩はヤッてないじゃーん。俺がヤッたのはゆーちゃんだし」

は?

何とぼけてんだ。

確かに宇崎も後からスタンガン当てられたみてーだけど、俺にもやったろうが。

「炎豪先輩ヤろうとしたのは秀さんっしょ?据え膳食わなかったみたいだけど」

「据え、は?なんて?」

年下のくせに難しい言葉使いやがって。

俺が馬鹿だからって馬鹿にしてんのか?馬鹿を馬鹿にするなんて失礼だろ。







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