記憶探偵
[始めての事件?7](1/1)

「だけどどうやって仕込んだの?」
「詳しくは分からんが、多分簡単なトリックだな。ジャンケンはあらかじめ4人で出す手を決めといたんだろう」
「でも、もし佐藤君が勝っちゃったら?」
「勝ってしまったらそれで、勝ったやつが罰ゲームって流れに強引にすればいい」

お前勝ったから罰ゲームな?と言われて何も言えない佐藤君の姿が目に浮かぶ。
ホントかわいそうだ。

「クジは?」 
「多分あらかじめ本江と書かれたクジを握っておいて、クジ箱に手を入れてから指でつまみ直したんだろ」

うん特に矛盾はない。
だが.......
「「証拠がない」」

刑事物のドラマや探偵小説にはお決まりのパターンがある。それは追い詰められた犯人が口にするあの言葉

『証拠はあるのか?証拠は!』

大変見苦しい言い逃れだが、確かに証拠が無ければ、ただの空想。挙げ句の果てに、『想像力が大変豊かなんですね笑』
と犯人に笑われる始末。探偵というのも辛いものだ。


「証拠ならまだ間に合うかもね。今何時?」 
「え?えーっと3時56分だけど?」
「ちょっと行ってくるわ」
「は?どこに?」 
「あとよろしく!」

佐藤君と私、二人っきりになった部室

「彼って無口って聞いてたんですけど」
「こういうことには熱くなるタイプなんです」



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