記憶探偵
[始めての事件?5](1/1)

「どういうこと?」当然の疑問を浅井に投げかける私。何も喋らない佐藤君。

「おかしいと思わないのか?」
「なにが?」 「順を追って説明してく」
こうして推理ショーが始まった。





「まずお前が本江が好きだと仮定しよう。クラスの女子は20人、そこからクジで選んだんだろ?」
「うん」
「さらに五人のなかでお前だけが1発負けだ」

そりゃ見事に彼だけグー、他はパーだったよあれは
「ジャンケンで佐藤が負け、なおかつお前が好きな本江がクジで選ばれるのは奇跡だろ」

まぁ確かにそうだ。
「でも、どの女の子選んだって確率は同じだよ?」
「ここではあらかじめ佐藤が本江を好きって事が分かってる前提で話してるんだ。つまり、クジで本江を好きな佐藤が選ばれ、さらに佐藤が好きな本江が選ばれたって事になる。」
 
正直もう訳が分からないなこれ。


「そしてもう一つ、大事なのは本江がテニス部ってこと」
「何で知ってるの?会ったことないんじゃないの?」
「本江って確かに図書委員だろ?しかも委員長。委員会冊子に載ってたぞ、ついでに部活もな」

委員会冊子とは月一で配られるプリントだ。委員会の活動や各委員長の紹介等が載っている。冊子って名前なのにプリントなのは、昔の先輩が、月一で冊子を作るのがめんどくさく、諦めたかららしい。じゃあ最初から冊子にするな。

でもテニス部だからってなんなの?意味わかんないよ




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