隣の嘘つきさん

[アラタな友達](1/4)





カチッ、カチッ、カチッ


ピピピピピピピピ…



『…?んあ…』



ピピピピピピピピ…


いつも置いてある目覚ましの位置に手を伸ばすが、届かない。



『ん、どこ…?』



ピピピピピピピピ…


ガシャッ


「二度寝すると確実に遅刻するから二度寝しないようにってわざと机の上に目覚まし置いたのは兄ちゃんだろ!?」



『ごめん、颯太…』



そうだった。


中学はかなり近かったけど、敢えて高校は遠いところを選んだ。

片道1時間弱だ。


…理由はまた後ほど。




さて、とりあえず準備だ。

昨日入り損ねた風呂へ入った後、部屋へ戻り制服に着替え、髪の毛を乾かし、セットをする。



ん?セットしたって無駄?

俺だって少しは容姿がましになるように努力したっていいじゃないかっ!



そんな無駄な努力をしたあと、母さんが待っているであろうリビングへと足を運ぶ。


「あら奏太。おはよう。早いのね、今日は。」

『おはよう』



…俺の早起きはそんなにも珍しいものなのだろうか。





母さんの作ってくれたありがたーい朝食をありがたーくいただき、歯磨きを済ませた後、簡単な身支度を整え家を出る。


電車の時間まで後20分。

家から駅までは全ての信号にひっかかっても15分。


…余裕だ。















…とりあえず学校行ったらあいつに謝ろう。


行きの電車のなかではそればかり考えていた。





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