▼[言葉](1/2)
人間は世界で最も強い種族です。
けれど世界で最も弱い種族です。
矛盾している…と思う方もいると思いますが、何故弱いかわかりますでしょうか?
答えは簡単
言葉一つで人は死ぬからです。
『言葉』は言の葉と書きますね。
俺が思うにこの字は
葉(2)を言(1)う
で言葉という字になっています。
『葉』というのは、まるで葉っぱのように軽くて一つだけでは何もできない。
そういうイメージが浮かびました。
塵も積もれば山となる
このことわざは一度は聞いたことはあるはず。
『葉』も同じです。
葉が一枚だけの紅葉の木じゃ見てるこっちの心が痛くなりますね。
しかし葉が一枚じゃなく、その木の枝の隅々まで葉があったとしましょう。
すぐにイメージが浮かびます。
一枚の時と比べて、威風堂々とそびえ立った紅葉の木……
木は葉があるのと無いのとでは全然違うのです。
それは言葉も一緒。
一枚の葉では何も感じないということは、こういうことです。
『爆』
この字は何が言いたいか解りますか?
もし当てることができたとしてもそれは奇跡を通りすぎてあり得ないかもしれませんね。
この世界には、『爆』の字が入った単語は実に数万個あるそうです。
普段俺達にあまり知られてない国々だけの単語もあるかもしれません。
そう考えると当てるということは普通に考えてあり得ないんです。
読心術。
あれはなにも本当に心を読んでいるわけではないのは当然ご存知ですよね?
ならば読心の方法はご存知でしょうか?
もちろん知っている、という方はほぼ皆無に近いはずです。
いたとしてもネットや辞書で見たという方が8割ほどで、適当に考えてたって人が2割ぐらいだと思います。
俺が考える読心術は、まず相手の目や表情、ちょっとした仕草や呼吸のリズム、あとは雰囲気か何かから相手の心情を予想する。
次に、初めに考えた心情を遠回し気味に少しずつ話ていき、その反応を見る。
最後はその反応が驚いているのか、何を言っているのかわからない、といった表情をしているかで判断します。
驚いていたのなら十中八九的中したんでしょうね。
人は一度当てられるとどこか安心感を覚え、自分のことをゲロッと喋ってしまうんです。
そこからまた前の通
りに予想して、確かめてから判断して、的中ならば最後にそれを言う。
外れたと思ったのなら話の向きを少し変えるんです。
例えば相手の好きなことや好きなものなどの話題に。
その時によく読心したり占ったりする人が、
「私は〇〇のようにしてします」
や、
「私は〇〇のようにして食べます」
など、自分のことを例にあげてきますね。
あれには、一種の仲間意識を持たせて相手の緊張をほぐし、表情の変化を見やすくするためじゃないでしょうか?
本当に話を楽しんでいる方もいらっしゃるかもしれませんが……。
要するに占い師や読心者は観察力がすごく鋭くて、その方法が巧みなんですね。
話を戻すと、『爆』の一文字で分かるなんてそのような人達でも分かるかどうか…ってぐらいのことです。
けれど、二文字目。
二文字目さえ分かれば予測範囲はかなり縮まります。
例えば、爆の次に『発』がきたらかなり予測できるほどになります。
一つじゃなくて、二つ三つ四つの単語が繋がって初めて一つの言葉になるんです。
言葉は解釈の仕方が何通りもあります。
しかし言葉は解釈すればするほど意味が変わってきます。
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